お米が安くなれば、それで良いのでしょうか?
2026/08/30
今年の新米価格が、
少しずつ決まってきました。
ニュースを見ていると、
「昨年より4割安」
という産地もあります。
昨年のお米があまりにも高かったので、
「今年は安くなるのか」
とホッとされている方も多いと思います。
もちろん、毎日食べるものですから、
お米が安く買えることは、
消費者にとって嬉しいことです。
でも米屋としては、
少し違うことも考えてしまいます。
普通なら、コストが上がれば価格も上がる
一般の商品なら、
原材料費が上がる。
人件費が上がる。
燃料代が上がる。
そうすれば、
商品の価格も上がります。
逆にコストが下がれば、
価格を下げることもできます。
ところがお米は、
なかなかそう単純にはいきません。
肥料代や燃料代、
農機具代などが上がっていても、
お米がたくさん余れば、価格は下がる。
反対に、
お米が足りなくなれば価格は上がる。
作るためにいくらかかったのかだけではなく、
「どれだけ収穫されて、どれだけ売れるのか」
という需給に大きく左右されます。
昨年、高すぎたことで起きたこと
昨年は、お米の価格が大きく上がりました。
すると当然、
「こんなに高いなら、お米を少し減らそう」
という人も出てきます。
そして家庭だけではありません。
外食産業や食品加工などでは、
価格を抑えるために、
外国産米を使う
という選択肢もあります。
一度、
「外国産米でも問題ないね」
となってしまったら、
国産米が安くなったからといって、
すべてがすぐに国産米へ
戻ってくるとは限りません。
私は、そこが気になっています。
お米が安くなることだけを喜んでいて良いのか
消費者から見れば、
お米が安くなるのはありがたい。
輸入する会社や食品加工会社、
安い価格で料理を提供しなければ
ならない飲食店やチェーン店にとっても、
安い外国産米を選べることは
メリットでしょう。
それぞれの立場から考えれば、
当然のことです。
でも、その先はどうなるのでしょう。
国産米の価格が下がる。
でも、
肥料や燃料、
農機具などの費用は高いまま。
それでは、
「もうお米を作っても合わない」
という農家さんが増えて
しまわないでしょうか。
高齢化も進んでいます。
後を継ぐ人がいない
農家さんもあります。
そこでさらに米価まで下がったら、
「自分の代で終わりにしよう」
と考える農家さんが増えても、
不思議ではありません。
国産米が減ったあとでは遅い
今は、
「外国のお米を輸入すればいい」
という考え方もあるでしょう。
でも私は、
米屋だからこそ思います。
田んぼは、
一度作らなくなったら、
簡単に元通りになるものでは
ありません。
農家さんも同じです。
長年培ってきた経験や技術があります。
必要になったからといって、
「来年から急に、お
米をたくさん作ってください」
とはできません。
もし国産米を作る人がどんどん減り、
外国のお米に頼る割合が
増えていったら……。
そのとき、
世界で不作が起きたら?
輸入価格が上がったら?
日本へ十分なお米が
入ってこなくなったら?
そう考えると、
お米の値段は、
「安ければ安いほど良い」
というだけの話ではない。
私はそう思うのです。
米屋として、この先を考えてしまいます
もちろん、
昨年のようにお米が高すぎれば、
消費者がお米から離れて
しまいます。
それも困ります。
だから、
消費者が買い続けられる価格。
そして、
農家さんが作り続けられる価格。
この両方が必要なのだと思います。
どちらかだけでは、
お米は続いていきません。
今年の新米価格を見ながら、
「安くなって良かった」
だけではなく、
5年後、10年後も、
日本の田んぼでお米を
作ってくれる人がいるだろうか。
そんなことを考えるようになりました。
玄米を販売する米屋として、
私はこれからも農家さんから
お米を仕入れ、
お客様に玄米のおいしさを伝え、
そして、
「国産のお米を食べ続けること」
の意味も伝えていきたいと思っています。
毎日の一杯のご飯。
当たり前のように
食べていますが、
その一杯を作ってくれる
人がいるからこそ、
私たちは食べることができます。
今年の新米を前に、
そんな当たり前のことを、
改めて考えています。
食を見直す

人生100年時代。
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少しずつ「食」を見直してみませんか。
玄米や発酵食品も、
難しく考えず、
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これからも店長の食卓からご紹介していきます。
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